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  • 執筆者の写真Yuriko Yamamoto

フェムテック台頭について思うこと

こんにちは。妙蓮寺すいクリニック院長の山本ゆり子です。


フェムテック、って最近よく聞きませんか?いままで「女性に生まれたからにはしょうがない、我慢するもの」として見過ごされてていた女性のさまざまな生活の不便を最新のテクノロジーで解決しようという、一連のムーブメントのことを指している言葉です。


生理痛、月経前症候群、更年期症候群、骨盤臓器脱(子宮、膀胱、直腸が腟壁を介して下がってくること)腟のトラブル(乾燥、かゆみ、不快感など)などが主なターゲットでどれも産婦人科診療とは縁の深いテーマです。そこで、患者さんから「~についてどう思うか?医学的にどうなのか?」というご質問を受けることも多くなってきました。


理論的には意味があるかもしれない、これは役に立ちそう、というものもあるのですが、意識の高い裕福な女性に高額商品を買わせようとしているだけでは、というあやしげなものもたくさんあります。


そのあたりの医学と商業的ナンセンスの間にあるさまざまな情報に対して、医療従事者の立場から発信している面白い産婦人科医を知ったのでぜひ紹介させてください。

Dr Jen Gunter https://drjengunter.com/ はカナダとアメリカの産婦人科医/疼痛医学(Pain Medicine)の専門医でSNSで積極的に情報発信しています。


先日彼女のPodcastを、そうそう、と激しく頷きながら聞いていました。昔は口承で、今はSNSにおいて、子育て、更年期、生理に関する科学的根拠のない有象無象の情報がまことしやかに伝えられる状況があります。フェムテックの台頭によって女性の困りごとに関心が集まるのはよいのですが、科学的根拠のあるケアが普及していくためには科学的データの蓄積が必要で、一朝一夕に達成できるものではありません。さらにそれぞれの問題はたくさんの因子が絡んでいて個別性が高く、誰にでもあてはまる簡単な解決法がこの世にあるはずもありません。


フェムテック市場は、スキンケア市場のように科学的根拠があるのかないのかよくわからない情報の上に成り立つ巨大市場になるのか、注視したいところです。ちなみに、わたしのスキンケアは朝晩石鹸で顔を洗うだけです。効果があるのかないのかわからない液体にお金を払うくらいなら、新しい万年筆とインクを買いたいと思うのです。それでは、また次のブログでお会いしましょう。







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