こんにちは。妙蓮寺すいクリニック院長の山本ゆり子です。
横浜はすっきりしない天気が続いています。五月晴れが恋しいです。
さて、先日患者さんから聞かれて即答できなかった質問があり、調べてみたことをここでシェアいたします。
それは、陰毛pubic hairについてです。陰毛があることの臨床的な意義は?という質問でした。
最近、日本人の女性も陰毛を整えたり脱毛する方が増えていますね。アメリカでは陰毛の処理をしていないから...と婦人科受診をためらう人がいるとか。そんなことはわたしもスタッフも全く気にしていないのでご安心ください。
さて、陰毛にはいくつかの役割があるのではないかと考えられています。まず容易に想像がつくのは、①性的に成熟していることの目印です。陰毛があるメスだ、ということはオスにとって生殖のチャンスのある相手だということを示す働きがあるということです。
ちなみに陰毛発育は第二次性徴のひとつで通常乳房発育の次におこってくることが多いです。お子さんの陰毛がはえてきたら生理がそろそろくるのかな、というサインです。
つづいて②性交渉の際に外性器の摩擦を防ぎ保護する役割がある、とか、③腟から雑菌が侵入するのを防いでいる、とも考えられていて、陰毛を処理している人はしていない人に比べて性感染症にかかりやすいとする報告もありました。陰毛を処理した方が清潔であるという考え方もあるようですが、医学的な根拠はいまのところはっきりしたものはなさそうです。
産婦人科開業医をしていて思うのは、脱毛に伴って外陰部の皮膚トラブルを起こす人が多いな、ということです。かぶれてしまったり、雑菌がこまかい傷から侵入してしまったり。脱毛が外陰部ヘルペス発症の引き金になっているのではないかと思うような症例もありました。
わたしが近ごろ憤慨しているのは「介護脱毛」という言葉です。人に迷惑をかけたくない、という女性の心理を悪用して、お金儲けをしようとしているとしか思えません。人のために脱毛するなんておかしいです。自分がしたいからする、そうあってほしいです。
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